医療法人 天裕会 学芸大 漢方クリニック 目黒区鷹番,学芸大学駅, 漢方内科・皮膚科

生理不順

女性は10才~18才の間に性成熟期を迎えて初潮が始まります。
一般的には3~7日間、子宮からの出血を繰り返し、経血量は2、3日目が比較的多く、50~80ml位の血液量が一般的と言われています。

生理前や生理中には、下腹部や腰部の鈍痛、胸の張り、不安やイライラ等症状が伴うこともありますが、日常生活に支障がなく、生理後に自然消失する症状の場合は治療する必要はありません。

その他、初潮が始まってからの最初の1~2年間は生理周期が不規則となったり、長期間、生理が来なかったりすることもあります。身体に異常が無ければ特に治療する必要はありません。体の発育に伴って自然と良くなるのが一般的です。
 

【生理不順の分類】

大きくは周期の異常と経血量の異常に分けられます。

1)周期の乱れ

①頻発月経(中医学:月経先期)

  • 頻繁に出血する、あるいは周期が短く、3週間未満の場合やいつもの周期より一週間以上も早まる場合を指します。

②稀発月経(中医学:月経後期)

  • 40日以上、あるいはいつもの周期より1週間以上遅くなる場合を指します。

③無月経(中医学:閉経)

  • 3か月以上生理が来ない場合を指します。

2)経血量の異常

①過多月経

  • 経血量が異常に多い状態を指します(目安として140ml以上) 。

②過少月経

  • 出血量が極端に少ない状態を指します(目安として30ml以下) 。
    その他、生理に伴う症状として、生理痛、月経困難症等があります。

生理周期は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンの働きによって調節されています。
何らかの理由でこれらのホルモン分泌に障害が生じると生理不順になります。
卵巣に異常はないのに、体調不良やストレスの影響で生理周期が乱れる場合もあります。
例えば、就職や旅行などで環境が変化した途端に生理が止まったり、周期が乱れたりしてしまうことも珍しくないのです。

そのような周期の乱れた状態を長期間放置していると、だんだん治療も難しくなります。精神的にも不安定になりやすく、決して好ましい状態ではないので、早めに原因を突き止め、治療を開始する方がよいでしょう。
ホルモン治療に抵抗がある方には漢方治療をお勧めします。
個々の体質に合わせて治療ができるので、生理不順等の婦人病には非常に有効です。

中医学では、生理周期や経血量を正常に保つために腎臓、脾臓、肝臓が重要視されます。

1)腎臓は生殖機能を司り、腎精を貯蔵しています。腎精から血液が作り出されるので非常に大切な役割を果たしています。
2)脾臓は毎日食べたものを消化吸収し、腎精を補充しながら、血液などの栄養成分を作る役割を担っています。
3)肝臓は感情をコントロールし、血を蓄える働きをしています。

疲れた時にイライラしやすかったり、生理前に自分の感情をコントロールし難くなったりするのは、身体が生理を準備している段階で肝臓の働きが酷使されているからです。
肝臓と女性の生理は密接に関係しているということなのです。

 

【体質に合わせた漢方の治療法】

1)虚弱体質

①腎虚体質

  • 特徴:経血量が少ない、色が淡い、めまい、耳鳴り等。
  • 代表処方:八味地黄丸、六味丸等。 

②血虚体質

  • 特徴:経血量が少ない、爪が脆い、目が疲れる等。
  • 代表処方:十全大補湯、人参養栄湯、補中益気湯等。

③虚寒体質

  • 特徴:元気がない、疲れやすい、寒がり、下腹部が冷える等。
  • 代表処方:温経湯、当帰芍薬散等。

2)普通体質

①気滞体質

  • 特徴:憂鬱感、イライラ感、怒りっぽい、乳房が張る等。
  • 代表処方:加味逍遙散、竜胆瀉肝湯、四逆散、女神散等。

②痰湿体質

  • 特徴:肥満気味、身体がだるい、浮腫む等。
  • 代表処方:五積散等。

③寒凝血瘀体質

  • 特徴:下腹部の冷え、激しい生理痛、経血に塊が多い等。
  • 体質処方:桂枝茯苓丸

周期が長い人も短い人も発病原因が同じであれば、治療法もほぼ同じになることが多く、いわゆる"異病同治"ということになります。

マニュアル通りの体質は少ないので、自己判断をせずに早めに専門医にかかることが大切です。