医療法人 天裕会 学芸大 漢方クリニック 目黒区鷹番,学芸大学駅, 漢方内科・皮膚科

季節の養生

<梅雨の養生>

梅雨の時期は、農作物にとっては夏の水源にもなる恵みの季節となりますが、湿度が急に高くなるため、身体にとっては少し注意が必要な季節になります。

身体に湿気による影響が出ることを湿邪と言い、漢方ではこの湿邪が身体に様々な不調を引き起こすと考えています。
湿邪によって、頭や身体が重い、身体がだるいといった症状や、むくみが生じたり、胃に不調が現れたりしやすくなります。また、梅雨の季節は身体に水分が溜まることによって、脾胃が弱り、食べ物の消化や吸収に影響が出ることも多くなります。
体内の水分過多によって、食欲が低下したり、下痢や軟便になったりやすいのも特徴です。
そのため、湿邪を日々身体に溜めないことと、脾胃を強めることを意識することが養生のポイントとなります。

食養生のポイント

1)水分を摂り過ぎない。
どうしても冷たい飲みものを飲む回数が増えるので、なるべく温かい飲み物、もしくは常温の水分を摂るように心がける。

2)利尿作用のある食材で余分な水分を取り除く。
・冬瓜、スイカ等のウリ類
・小豆、緑豆、はとむぎ、とうもろこし、枝豆等の豆類
ただし、トマト、きゅうり、なす等の夏野菜は身体を冷やすので摂り過ぎないこと。

3)温かいものや身体を温める食材を摂って脾胃を冷やさない。
ネギ、しょうが、にんにく、シソ、キムチ・・・

4)黄色い食材や甘味のある食材を摂って脾胃を強くする。
ナツメ、小豆、緑豆、大豆、山芋、サツマイモ、トウモロコシ、かぼちゃ・・・

食養生で脾胃を守ることで梅雨の季節の体調不良を乗り越え、健康を保つことができるので、ぜひ上記ポイントを押さえ、脾胃を強くする生活を心掛けてください。
 

<夏の快眠養生>

夏は日照時間が長くなり、活動時間も長くなるため、どうしても寝るのが遅くなってしまいがちです。暑くて寝苦しい日々が続く中、しっかりと睡眠を取るための快眠養生ポイントをお伝えしたいと思います。

身体は体内時計を元に体温や血圧、ホルモンを安定させ、調子を整えています。
このために重要なのが、規則正しい生活です。
何よりも大切なのが、早寝早起きを意識することです。まずは、朝の太陽の光をしっかりと浴びて身体を目覚めさせ、夜はゆったりとした時間を過ごしながら早めに休みましょう。

この季節は、身体を養い、陽の気を蓄える季節になります。
体力を消耗し過ぎないように日々の食事や睡眠に気を配り、生命活動の源であるエネルギーを身体に取り入れていきます。身体のエネルギーが不足すると、脾胃の働きが弱くなり、血液不足が起こり、不眠の症状が出やすくなります。また、冷たいものの摂り過ぎや生活の不摂生が続くと、脾胃の働きが悪くなって消化吸収力が衰えてしまうため、良質の睡眠を取ることが難しくなってしまいます。

夏のダメージを秋に引きずらないためにも、心と脾胃の養生を心がけ、充分な睡眠を取れる環境を整えていきましょう。陽の気を適度に浴びて心地よい運動をすることで程よく疲れ、効果的な睡眠がもたらされます。

良質な睡眠を取るために、寝る前の時間は消化の良い食事を摂ることを心がけ、パソコンや携帯を使う時間を減らし、暑さ対策を含め睡眠に適した生活環境を整えることも大切になります。
 

<秋の養生>

秋は夏の疲れが残り、また毛穴が閉じて鼻や器官に負担がかかって粘膜を傷つけたり、体調を崩したりしやすい季節でもあります。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、9月23日の秋分の日を境に、暑さが和らぎ、過ごしやすい季節を迎える一方、空気が乾燥し、晩秋には寒さを感じるようになります。

この季節は本格的な寒さの冬を迎えるための準備期間として、徐々に身体を気候の変化に合わせ、養生しながら過ごすことが大切になります。

秋になると陽気が次第に衰え始め、陰気が盛んになるので、陰気を養うためには乾燥から身体を守る必要があります。そのため、肺を守ることが秋の養生のポイントなります。

肺は重要な呼吸器官であり、燥邪の影響を受けることで喉や気管支などの呼吸器系の症状を発症します。この時期は乾燥の影響を受けて陰気を消耗し過ぎないことが大事です。

早寝早起きを心がけ、心身ともに安定した気持ちで少しおとなしく過ごすようにし、身体の中に水分を保ち、毎日の食生活の中に身体を潤し乾燥を予防してくれる食材を積極的に取り入れていくと良いでしょう。

食養生のポイント

1)肺の働きを助けるものを摂る。
白きくらげ、梨、ブドウ、レンコン、ゴマ、もち米、はちみつなどを積極的に摂る。梨の皮は喉や肺を潤し、咳を止める生薬として使われている。

2)冬に向けてエネルギーを蓄えるための食材を摂る。
サツマイモ、栗、米、くるみ、ぎんなん、かぼちゃなどの良質のでんぷん質や脂質を補う。

3)辛み食材、例えば、ねぎ、生姜、ニンニク、唐辛子などを取り入れる。ただし、肺は刺激的な食材の影響を受けやすいため、摂り過ぎには注意が必要。

秋の養生のポイントは「早寝早起き」と「肺を潤す」の二点。
食生活のバランスを整え、食物のエネルギーを取り入れながら、大地の気を全身に巡らせます。朝の澄んだ空気を肺に沢山取り入れながら深呼吸をし、食養生で肺を整えながら冬への身支度をしていきましょう。
 

<寒い冬を乗り越える養生>

冬の季節は日差しも減り、陰の気が増す季節となります。
活発に活動してエネルギーを消耗し過ぎることなく、蓄えることを意識してゆったりと過ごすことが大切になります。

また、外気温が下がるので体温の維持が重要となります。体温が下がると体内の活動が衰え、血行が悪くなり、脳卒中や心筋梗塞など生命を脅かす病気の発症率が高くなりやすいからです。
気が消耗され、「寒邪」が体に侵入すると、風邪やインフルエンザに罹りやすくなったり、関節の痛みなどを感じやすくなったり、また陽気が不足すると胃腸の症状や咳などの肺の症状となって現れるので注意が必要です。

この季節の養生は『養腎防寒』にあると言われています。
腎気が盛んで腎臓の働きがしっかりしていると、生命力が高まり、冬の寒さにしっかりと適応することできます。基本は何と言っても『腎』対策、『寒さ』に負けない身体作りをしていきましょう。

1)とにかく身体を温めること。   
血行を良くするために毎日お風呂に入る、温かい飲み物を摂るように意識をすること・・・が大切になります。

2)肺を潤す食材を取り入れ、冷えを抑えて身体を温める。
白きくらげ、生姜、ネギ、ユリ根、シナモン・・・

3)腎の気を補う食材を摂る。
シナモン、羊肉、牛肉、クルミ、黒ゴマ、松の実・・・

4)とにかく明るく過ごすこと。
冬は季節的にも気が下がるため、「楽しく明るく」を意識して過ごすことを心がけましょう。